既存顧客を大切にすること!

「今」、その店舗が成立しているのは購入してくれるユーザーが存在するからです。その中には繰り返し購入してくれるユーザーもいるのです。新規顧客の開拓はもちろん大切です。ですが、新規に拘りすぎるあまり、既存のお客様をないがしろにしては元も子もありません。新規で獲得した顧客も、獲得したあとは「既存顧客」です。ですから、基本的なサービスや商品の品質はもちろん、販促や広告においても既存のカスタマーを意識することは必要なのです。例えば、継続性のあるサービスなどで新規の顧客獲得が鈍ってきたからといって入会金などの初期費用を簡単にOFFにしてしまうと、それよりも以前に入会したカスタマーからクレームが発生する場合があります。これはあまりにも「ウリ」に走り過ぎたが故の過ちです。そのようなことをすればたちどころに悪いうわさが口コミで広がっていくことは確実です。評判が下がってしまえば、なかなか回復させることは難しいものです。
それは小売店にも共通します。同じ品物をハイスパンで安く販売したりすると、高く購入したユーザーからのクレームを招きます。結果発生するのは「買い渋り」です。「どうせまたあとで安くなるだろう」というものです。ですから、セールのタイミングも気をつける必要があります。服飾の場合は、シーズンを逃がしてしまうようなギリギリのタイミングで行います。メカ製品などは古いバージョンのものから安くしていくことがオススメです。ユーザーの身になってみて、クレームが発生するような売り方は、急場の売り上げは確保できるかもしれませんがあとあとを考えると絶対によくない方法です。そもそもが、通年常に儲かるビジネスなどというものは少ないものです。その年間の傾斜も考えたうえで、売り上げ予算を計画しておかなければ健全なショップ経営とは言えないでしょう。「売れる時期」というのは確実にありますから、「売れるときに売る」、そうではないときは次のタイミングに向けて準備をするなどを行うべきです。そう、「売れない時に」ダイレクトメールを打つとどうしても費用対効果は下がります。そこで予算を浪費するのではなく、売れる時期に効率のよい予算投下を行うことが最善です。
「売れる時期」というものは既存顧客も理解しています。夏と冬、ボーナスが出たあとの年二回の時期は購買意欲が高まる時期です。その時期に「安く」するというのは、いわば恒例行事のようなものです。「夏のセールをまとう」というのはユーザーの自然な心理ですから、そこに抗うよりも、むしろ迎合したほうが良い結果を生むのではないでしょうか。世間の流れ、購買意欲の高まりに合わせて勝負するのが正統な販売方法なのです。それ以外の時期はアウトレット品やワケアリ品などの販売で売り上げを伸ばすなどの工夫が必要でしょう。くれぐれも既存顧客の期待を裏切るような販売方法は避けた方がよいのです。それが正統なビジネスです。